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「完全版マハーバーラタ 愛の章/嵐の章」延期のお知らせ

7/4〜6の「完全版マハーバーラタ 愛の章/嵐の章」公演は延期とせざるを得なくなりました。ここに向けて8年実施してきたので残念でなりません。理由はお察しの通り、COVID19がいつ終息するか分からず、稽古、公演が実施可能かどうか読めないこと、並びに4月20日過ぎからの稽古に外国人アーティストが多数、来日できないか、来日できても隔離される等のことからまったく稽古にならず、もはや万事休すとなってしまいました。
公演の実施時期はオリンピックプログラムに合わせてちょうど一年後と考えています。まだ詳しくは発表できませんが、そもそもの助成金の枠がオリンピック・パラリンピック終了までとのことですので、同時期にせざるを得ません。
ただ、ここに向かって動いてきたため、なくなってしまうと資金的に瞬く間に枯渇していきます。すでにチラシ、ウェブその他さまざまな出費もあります。劇場費用も現時点では2割しか返さないと言われており、これでは完全に破たんしてしまうため、対応が必須です。人員もまた、7月に向けて増やし、ボランティアスタッフも多数おります。とにかく一年後に再結集してもらうしかなくなってしまいました。この辺りのことは今後の交渉でなんとかして行きたいです。航空券も全部購入済み、ビザも……と、あらゆる面でやってきた労力が無に、……頭を抱えるしかありませんが、なんとしても乗り切るしかありません。それにはみなさまのご協力を仰ぎたく、深くお願い申し上げる次第です。
ただ、よくよくわかるのは、日本ではあらゆる面から文化、そしてそれに伴って人間が脆弱にさせられてきたのだなということです。「コンプライアンス」という仕組みも脆弱化の証でしょう。要は責任回避システムです。これは一朝一夕には治るはずもなく、面白いことはできにくくなる。平均点を取り、納得しやすい「物語」「受験的頭脳」に合致することが求められる。だから「わかりやすさ」ばかりを求め「わかりにくさ」の素晴らしさを納得できない。そしてこれに一方的に合わせろとやられるのですね。
ただ、この責任回避システムの弊害が一気に日本ではCOVID19騒動で出て来ていると思います。それ自体が文化力なのですが……。全部、責任を逃れながら、後手後手に動きつつ、決断を下さない、下したと思うと、「マスクを一律一家庭あたり2枚配布」なんて驚きの文言になる。ですが、これが日本の文化力なのです。
そうは言っても、乗り切って行かねばなりません。もろもろご協力を仰ぐことも出てくるかと思います。なにとぞ、よろしくお願いします

4月2日 小池博史